天文宇宙検定2級ノート 4章コラム

変光星・・・我々が観測できる間に、明るさが変わる星をいう。全天で3万個以上発見されている。

変光の原因は、「星の存在形態」と「星の進化段階」の2種類に分類される。

 

最初に発見された変光星は1596年のクジラ座ο星「ミラ」ラテン語でびっくりという意味)。

約330日の周期で約3から9頭の間に変光する。

変光の原因は「進化段階」。巡洋の最後に膨張や収縮を起こして明るさが変化する。・・・脈動変光星脈動変光星のなかでミラのように長い周期のものをミラ型変光星という。

 

もう一つの原因は、連星がお互いに相手を隠し合うことによって見かけの明るさが変化するもの。・・・変光星。1667年にペルセウス座のβ星アルゴル(アラビア語で「悪魔」の意味。)で変星現象が見つけられた。2.867日という短い周期の間に、約2.1等から3.4等まで変化する。

天文宇宙検定2級ノート 4章4節

HR図ヘルツシュプルング・ラッセル図)・・・星の光度と温度を軸とした図。

以下の4つのグループに分類される。

主系列星・・・高温で明るい星から、低温で暗い星までが並ぶ。温度が低いほど質量が小さく、数が多い。

赤色巨星・・・明るいが温度は低い天体。

白色矮星・・・温度は高いが暗い天体。

褐色矮星・・・白色矮星と同程度の明るさで、低温、低質量。惑星質量天体と合わせて超低質量天体と呼ばれる。核融合反応を安定して起こせず、収縮による重力エネルギーによって輝く。

 

主系列性の光度Lは、表面温度Tのおよそ8乗に比例する。(L=定数×T⁸)

ステファン・ボルツマンの法則・・・星の光度Lは、表面温度Tの4乗と表面積の積で表される。(L=4πr²σT⁴)σは定数。

光度に約10等(1万倍)の差がある、同じ温度の主系列星赤色巨星を比べると、

主系列星の光度を1とすると赤色巨星の光度L=10000

10000=4πr²σ1となり、r=100

赤色巨星の半径は主系列星の100倍、表面積は1万倍となる。

天文宇宙検定2級ノート 4章3節

スペクトル・・・光を波長ごとの強さ(明るさ)で表したもの。

 

スペクトル研究

1666年 アイザック・ニュートンが、多くの色の光が混ざって白色の太陽光になっていることを証明した。

150年後 ヨゼフ・フォン・フラウンホーファーは太陽スペクトルの中に574本の暗線を見つけた。その中でも特に強く見える暗線を、A線~K線と表した。

キルヒホッフは、これらの暗線が太陽大気中の固有の元素の吸収でできるという原理を発見した。

D線はナトリウム、H,K線はカルシウムなど。

この吸収線をフラウンホーファーという。

 

星のスペクトル

連続スペクトル・・・スペクトルの色分布。

吸収スペクトル・・・スペクトルの暗線。

星のスペクトルから、星の温度を求めることができる。

太陽は緑色で一番強く光を放つ。

 

星のスペクトル型分類・・・スペクトルの見え方によって星を分類すること。現在もっとも使われているのは、ハーバード式分類。

O型 32000K以上  アルニタク

B型 10000-32000K スピカ、リゲル

A型 7500-10000K   シリウス、ベガ  

F型 6000-7500K  カノープスプロキオン

G型 5200-6000K    太陽、カペラ

K型 3900-5200K  アルデバランアークトゥルス

M型 2200-3900K    ベテルギウス、アンタレス

L型 1400-2200K  グリーゼ165B

T型 600-1400K以下  グリーゼ229B

Y型 600K以下   WISE1828+2650

 

スペクトル型の覚え方

Oh, Be A Fine Girl Kiss My Lips, Tonight, Yah !

天文宇宙検定2級ノート 4章2節

物体色・・・目に見える物体の感じ方。物体にあたった光の内、吸収されずに反射したものを人の目が受けると、波長の違いである色に見える。

光源色・・・自分自身が光っている物体の光の色。

 

恒星の色

赤い恒星と青い恒星では温度が違う。

星の温度は、主系列星では質量に比例する。中心部の核融合反応がさかんで、発生するエネルギーも膨大なため。

白く輝くベガの表面温度は約9500K。赤い星アンタレスは3500K。

 

色指数・・・2つの異なる色フィルターを通して星の明るさを測光し、等級差から星の色を決定する方法。

 

赤~紫までのすべての光が合わさった光を白色光という。

いっぽうレーザー光などは特定の波長の光だけからなり、単色光と呼ぶ。

 

天文宇宙検定2級ノート 4章1節

星の明るさ分類

紀元前2世紀 ギリシャ天文学者ヒッパルコスが、約850個の星を1等級~6等級に分類した。

19世紀 イギリスの天文学者ジョン・ハーシェルは、1等級変わると明るさが2.5倍変わることに気付いた。

その後、イギリスの天文学者ノーマン・ポグソンが1等級と6等級の明るさの差を正確に100倍として、星の明るさの比と等級差の関係を数式で定義した。

 

等級の定義・・・L₂/L₁==100^1/5(m₁-m₂)

0等星の等級(m₂)と明るさ(L₂)及びある星の明るさ(L₁)から、ある星の等級(m₁)を求めてみる。

0等星として、ベガを明るさの基準とする(正確には0.03等級)

例えばベガの1/100の明るさを持つ星は、L2/L1=100となり、

1/5(m₁-m₂)=1 1/5(m₁-0)=1 となり、5等であることが分かる。

 

見かけの等級

太陽・・・-26.7等級

満月・・・-12.7等級

すばる望遠鏡で見える最も暗い天体・・・28等級

 

絶対等級

物の明るさは距離の2乗に反比例する。

そこで、本来の明るさを知るために、星を10パーセク(32.6光年)の距離に置いたときの等級を絶対等級とする。

天文宇宙検定2級ノート 4章0節

電磁波・・・電場と磁場が相互に影響し合って、波となって空間を伝わるもの。

波長・・・波の繰り返しパターンの一つの長さ。

振動数(周波数)・・・1秒間に繰り返す波の回数。

波の速さ=振動数×波長

電磁波は真空中を秒速約30万km(光速)で伝わる。水の中だと真空中の75%。

 

波長の短い順から、

ガンマ線(がん治療)

X線(レントゲン撮影)

紫外線(殺菌)

可視光(400~700nm)

赤外線(リモコンや暖房)

電波(通信)

天文宇宙検定2級ノート 3章4節

太陽系形成のシナリオ・・・1980年ごろに京都大学の林忠四郎が提唱した京都モデルが標準となっている。

(1)太陽が形成されたときの残りの材料から、太陽の周りにガスや塵からなる原始太陽系円盤ができる。

(2)円盤の中の塵が集まって、直径数kmくらいの微惑星がたくさんできる。

(3)微惑星の衝突合体により、原始惑星ができる。

(4)原始惑星の巨大衝突により地球型惑星が形成される。木星型惑星は大きく成長した原始惑星がガスを大量に集めてできる。ガスを十分に集められなかった原始惑星が天王星型惑星になる。

 

探査機ドーン・・・2007年に打ち上げられたNASAの探査機。小惑星帯にあるベスタとケレスを探査した。2018年に観測終了したが、ケレスに有機物や液体の塩水が見つかったことからケレスの環境を守るため落下させず今後数十年間ケレスの周りを回り続ける。

 

木星はどうして巨大惑星になれたのか

火星と木星の間は、水の昇華温度となる場所(雪線またはスノーライン。約3天文単位の場所)。これより太陽に近いと水は水蒸気となり、外側では氷になる。

木星から遠くには氷も含めて材料がたくさんあったので大きく成長し、強い重力でガスをかき集めて木星土星になった。

天王星海王星は、大きくなる前に原始太陽系円盤のガスがなくなってしまいガスを十分に集められなかったと考えられている。

 

火星と木星の間にはなぜ惑星がないのか

火星と木星の間には小惑星帯がある。木製の軌道のすぐ内側あたりでは、巨大な木製の引力の影響で微惑星の軌道が乱され、お互いに激しく衝突して壊れてしまい、たくさん

小惑星になったと考えられている。または、もともとこの辺りには惑星のもとになる材料が少なかったという説もある。(小惑星帯の天体を全部合わせても月より小さい。)

 

小惑星

小惑星の軌道が似ている集団を「族」という。もとは一つの天体がほかの天体と衝突し、できた破片が兄弟のように同じ軌道で公転していると考えられている。

小惑星ベスタ・・・小惑星にしては珍しく中心核、マントル、地殻の構造を持つ。ベスタは原始惑星がそのまま生き残った姿かもしれない。