天文宇宙検定2級ノート 3章4節

太陽系形成のシナリオ・・・1980年ごろに京都大学の林忠四郎が提唱した京都モデルが標準となっている。

(1)太陽が形成されたときの残りの材料から、太陽の周りにガスや塵からなる原始太陽系円盤ができる。

(2)円盤の中の塵が集まって、直径数kmくらいの微惑星がたくさんできる。

(3)微惑星の衝突合体により、原始惑星ができる。

(4)原始惑星の巨大衝突により地球型惑星が形成される。木星型惑星は大きく成長した原始惑星がガスを大量に集めてできる。ガスを十分に集められなかった原始惑星が天王星型惑星になる。

 

探査機ドーン・・・2007年に打ち上げられたNASAの探査機。小惑星帯にあるベスタとケレスを探査した。2018年に観測終了したが、ケレスに有機物や液体の塩水が見つかったことからケレスの環境を守るため落下させず今後数十年間ケレスの周りを回り続ける。

 

木星はどうして巨大惑星になれたのか

火星と木星の間は、水の昇華温度となる場所(雪線またはスノーライン。約3天文単位の場所)。これより太陽に近いと水は水蒸気となり、外側では氷になる。

木星から遠くには氷も含めて材料がたくさんあったので大きく成長し、強い重力でガスをかき集めて木星土星になった。

天王星海王星は、大きくなる前に原始太陽系円盤のガスがなくなってしまいガスを十分に集められなかったと考えられている。

 

火星と木星の間にはなぜ惑星がないのか

火星と木星の間には小惑星帯がある。木製の軌道のすぐ内側あたりでは、巨大な木製の引力の影響で微惑星の軌道が乱され、お互いに激しく衝突して壊れてしまい、たくさん

小惑星になったと考えられている。または、もともとこの辺りには惑星のもとになる材料が少なかったという説もある。(小惑星帯の天体を全部合わせても月より小さい。)

 

小惑星

小惑星の軌道が似ている集団を「族」という。もとは一つの天体がほかの天体と衝突し、できた破片が兄弟のように同じ軌道で公転していると考えられている。

小惑星ベスタ・・・小惑星にしては珍しく中心核、マントル、地殻の構造を持つ。ベスタは原始惑星がそのまま生き残った姿かもしれない。