天文宇宙検定2級ノート 5章コラム2

セファイド型変光星・・・星自身の半径が周期的に変動して明るさを変える脈動変光星の1つ。

太陽の質量より数倍大きな星がHR図上のせふぁいど不安定帯に入るとせふぁいど型変光星になる。

偏光周期は数日~200日で、変光幅は0.05~2等。絶対等級は-2~-7等と明るい。

絶対等級が明るいほど偏光周期が長いという、

そのため、ある天体中に存在するセファイド型変光星の変光周期と明るさを測定し、周期光度関係を用いることで、その天体までの距離を求めることができる。

(変光周期が分かれば絶対等級が分かる。絶対等級と見かけの等級から、距離を求めることができる。

 

アルゴルパラドックス

ペルセウス座β星のアルゴルは食変光星

B型の主星とK型の伴星。一般に質量の大きな星ほど早く主系列星を離れ赤色巨星へと進化するが、アルゴルは質量の大きな主星がまだ主系列星にとどまっているのに対し、伴星の方が赤色巨星への進化を始めるという逆転現象が起こっている。

これをアルゴルパラドックスという。

連星系の質量の大きな方が先に赤色巨星へと進化を始めて膨張すると、その外層がもう一方の質量の小さい星へ流入し、質量の逆転が起こるため。

 

ニュートリノ天文学

ニュートリノ電荷をもたず他の素粒子とほとんど相互作用をしない素粒子。水素の核融合反応や超新星爆発などによって発生する。

ニュートリノを検出し天体現象を調べる手法がニュートリノ天文学

小柴昌俊が2002年、梶田隆章が2015年にノーベル物理学賞を受賞している。

天文宇宙検定2級ノート 5章4節

われらは星の子
人間の体や地球を作っている元素は、以前どこかの星の核融合反応によってつくられ、それらが超新星爆発によって宇宙にまき散らされたもの。幾度も超新星爆発が起こり、次第に星間ガスに重元素が増え、2%まで増加した星間ガスが集まって太陽が生まれた。

その時太陽の周りに原始太陽系円盤が形成され、その中の重元素が集まって地球などの惑星が作られた。

天文宇宙検定2級ノート 5章3節

原始星・・・重力エネルギーで輝いている天体。主に赤外線で輝いている。

 

主系列星から主系列星への進化経路

質量の大きな前主系列星ほど、短い時間で主系列星になる。

林トラックと林フェイズ

HR頭上における前主系列星の進化経路で、太陽質量や賞質量の星はほぼ真下に移動する。この経路を指摘した林忠四郎にちなみ林トラック(林の経路)といい、この段階の星を林フェイズにあるという。

 

主系列星から赤色巨星への進化経路

質量が大きいと、主系列星から離れる時間が極端に短くなる。

太陽より質量が大きな星が赤色巨星になると、中心部にたまったヘリウムから主に炭素や酸素を合成する核融合反応が始まる。

すると温度は再び上昇し、そこから再び赤色巨星へ向かう。

 

赤色巨星から星の死へ

太陽の質量の8倍より大きな星は、Ⅱ型超新星爆発をおこし中性子星ブラックホールになるので、HR図上では赤色巨星の位置から突然姿を消すことになる。

天文宇宙検定2級ノート 5章コラム1

色指数

星からの光は、星の表面温度によって、波長による強度の分布が違う。

光の強度が最も強くなる波長は、

B型(20000K)で145nmの紫外線領域

A型(10000K)で290nmの紫外線領域

G型(6000K)で480nmの緑色の領域

M型(3500K)で830nmの赤外線領域 となる。

 

星の光を300~400nmの波長域で測った等級をU等級

400~500nmの波長域で測った等級をB等級

500~650nmの波長域で測った等級をV等級

これらの等級の差U-B、B-Vを色指数という。

色指数が小さいほど高温の星、大きいほど低温の星になる。

スペクトル型A0星でU=B=Vとなるように定義されている。

通常はB-Vの値が色指数として用いられる。

 

メシエ番号とNGC番号

メシエ番号は、シャルル・メシエが番号をつけたもの。M109まである。

NGCはジョン・ドレイヤーの天体カタログ『New General Catalogue』の略称で7840個の天体が登録されている。

星の誕生・・・星自身のエネルギーで輝き始めたとき

星は、分子雲の密度の高い部分(分子コア)がガスの自己重力によって収縮し、周りのガスを重力でかき集めながら生まれる。

ガスが収縮すると、重力エネルギーが熱エネルギーに代わり星は赤外線領域で明るく輝く。この重力エネルギーで輝いている状態の星を原始星という。

原始星は、周りに濃いガスが多量に残され、ガスの中のダストによって星の光がさえぎられるため、星の姿は可視光線で見ることができず赤外線や電波でしか観測できない。

やがて周りの濃いガスがアウトフローなどによってなどによって徐々に宇宙空間に散っていき、星の姿を可視光線でも見ることができる状態となる。これらの星を主系列星という。

 

原始惑星系円盤

原始星が誕生するとき、ガスの一部は回転運動のため原始星に落下せず、原始星の周りを回る原始惑星系円盤を形成する。

惑星はここから誕生する。

 

主系列星の誕生

星の収縮が続けば、中心密度は高くなり中心温度も上昇する。中心温度が1000万Kを超えると、中心部で水素(H)がヘリウム(He)に変わる核融合反応が発生する。すると収縮は止まり、核融合のエネルギーで安定的に輝き始める。この状態の星を主系列星という。

主系列絵師になるためには、太陽の0.08倍以上の質量が必要。それ以下だと中心温度が1000万Kに達する前にガスの圧力で収縮が止まってしまい、褐色矮星となる。

 

赤色巨星への変化

核融合でヘリウムが中心部にたまっていく、この部分をヘリウムコアという。ヘリウムコアはしだいに大きくなるが、その中では核融合反応は起こらず、ヘリウムコアの外側で水素の核融合反応が起こっている。

質量が太陽の0.46倍より大きな星は、ヘリウムコアがゆっくりと収縮をはじめる。すると全体のバランスを保つため外層は大きく膨張し、表面温度は下がり、赤くなっていく。半径は大きくなるため星の光度は明るくなっていく。これが赤色巨星への進化。

主系列星から赤色巨星への移動期間は数千万年程度で、太陽の主系列星の寿命である100億年と比べるととても短い。

質量が太陽の0.46倍より小さな星は、ヘリウムコアを包み込む水素の外層が宇宙空間に霧散し、ヘリウムを主成分とした白色矮星として星の一生を終える。ただし水素の外装が霧散するまでには、宇宙の年齢138億年よりはるかに長い500億年以上もかかるため、このようにして一生を終えた星はまだ存在しない。

 

星の死

赤色巨星に進化した後、質量が太陽の8倍より小さな星は、ヘリウムコアの内部で炭素や酸素を合成する核融合反応が始まり、炭素+酸素のコアが成長していく。

ヘリウムの核融合反応が始まると、星の表面温度は再び上昇し、星はHR図上をほぼ水平に、左側に移動していく。

その間に膨張して巨大になった星の外層は静かに星から離れていき、星の周りに惑星状星雲と呼ばれるガス状の星雲が形成される。

中心部の炭素+酸素のコアはそのまま白色矮星となり、惑星状星雲の中心性として残る。白色矮星の内部では核融合反応が起こらないため新しいエネルギーを生み出すことができず、星の死となる。

質量が太陽の8倍より大きな星はの中心部では、炭素や酸素からネオンやマグネシウムを、ネオンやマグネシウムからケイ素を、ケイ素から鉄合成する核融合反応が次々と起こり、星の内部は層状構造になる。

中心部では電子が陽子に吸収され、中性子のコアが作られる。中性子は電気的反発力がないため、中性子コアは重力によって急激に収縮し、半径10km程度の中性子星となる。

その結果外層も中心に向かって急激に落下し始める(重力崩壊)。落下した外層のガスは中性子星の表面で止められ、その反動でⅡ型超新星爆発(重力崩壊型超新星爆発)を起こす。

吹き飛ばされたガスは一時超新星残骸としてのこるが、やがて宇宙空間に散って再び星間ガスの一部となる。

中心部には半径10km程度の中性子星が残る。太陽質量の40倍以上の星の場合はブラックホールが形成される。

 

超新星の種類

水素の吸収線が見られない・・・Ⅰ型

 ケイ素の吸収線が見られる・・・Ⅰa型

 ケイ素の吸収線は見られないがヘリウムの吸収線が見られる・・・Ⅰb型

 ケイ素の吸収線もヘリウムの吸収線も見られない・・・Ⅰc型

水素の吸収線が見られる・・・Ⅱ型

 

Ⅱ型は太陽質量の8倍以上の星が進化の段階で死を迎えるときに起こる現象。

Ⅰb型は水素の外層が、Ⅰc型は水素とヘリウムの外層が強い方者や恒星風によって流出した後に、重力崩壊型超新星爆発を起こしたもの。

Ⅰa型は連星系を作っている白色矮星がその限界質量を超えたときに起こす大爆発。

連星系のもう一方の星が赤色巨星に進化する段階で、その外層の一部がはぎとられ白色矮星に降り積もる。このとき白色矮星の限界質量を超えると、大爆発を起こす。この場合星全体が粉々に砕け、中心部には何も残らない。

天文宇宙検定2級ノート 5章1節

質量光度関係・・・主系列星の光度Lは質量Mのおよそ3.5~4乗に比例する。

星の寿命・・・星の寿命τ=燃料である水素の量(質量Mが多いほど多く存在する)をその消費率(光度Lが明るいほど多く消費する)で割ることによって計算できる。

太陽をと同じ質量の星の寿命はおよそ100億年なので、

太陽を1とすると、τ=100億年×M/L L=M^3.5~4なので、τ=100億年/M^2.5~3

星の質量

連星の連星間距離をa(天文単位)、公転周期をp(年)太陽質量を1としたときの恒星の質量をm₁、m₂とすると、a³/p²=m₁+m₂ となる。

これを一般化されたケプラーの第3法則という。

 

原始星

原始性があるのは、星が盛んに形成されている星形成領域

原始星は多くの場合濃い分子雲の中にあるため、赤外線や電波でないと観測できない。

小型望遠鏡でも目にすることができる星形成領域に、オリオン星雲(M42)がある。

巨大な分子運の限られた領域で星が集団で生まれる場合が、星団や星落(アソシエーション

分子雲・・・水素ガスのほとんどが水素分子になっている星間雲。

 

主系列星

星の一生のうち、水素からヘリウムを合成する核融合反応で安定して輝いている状態の星。

散開星団おうし座のプレアデス星団(すばる。M45)やかに座のプレセぺ星団(M44)

おおいぬ座シリウス、小犬座のプロキオン、しし座のレグルス、こと座のベガ、わし座のアルタイルなど。

 

赤色巨星

主系列星の時期が終わった後、星が膨張して半径が大きくなり、表面温度が低下して赤く輝くようになった巨大な星。

球状星団、オリオン座のベテルギウス、さそり座のアンタレス、おうし座のアルデバランうしかい座アルクトゥールス、ふたご座のポルックスなど

天文宇宙検定2級ノート 5章0節

星の一生

太陽質量の0.08倍以下

原始星→褐色矮星

太陽質量の0.08倍~0.46倍

原始星→主系列星白色矮星

太陽質量の0.46倍~8倍

原始星→主系列星赤色巨星→惑星状星雲→白色矮星

太陽質量の8倍~30~40倍

原始星→主系列星→赤色超巨星→超新星爆発中性子星

太陽質量の30~40倍以上

原始星→主系列星→赤色超巨星→青色超巨星→超新星爆発ブラックホール

 

物質の輪廻

ビッグバンによって生まれた初期の宇宙には、水素、ヘリウム、わずかなリチウムしかなかった。そのあとに形成された恒星が元素を合成し、それ等を宇宙空間へと還元するサイクルを繰り返すうちに、星間ガスの中の重元素が徐々に増えていった。