■
星の誕生・・・星自身のエネルギーで輝き始めたとき
星は、分子雲の密度の高い部分(分子コア)がガスの自己重力によって収縮し、周りのガスを重力でかき集めながら生まれる。
ガスが収縮すると、重力エネルギーが熱エネルギーに代わり星は赤外線領域で明るく輝く。この重力エネルギーで輝いている状態の星を原始星という。
原始星は、周りに濃いガスが多量に残され、ガスの中のダストによって星の光がさえぎられるため、星の姿は可視光線で見ることができず赤外線や電波でしか観測できない。
やがて周りの濃いガスがアウトフローなどによってなどによって徐々に宇宙空間に散っていき、星の姿を可視光線でも見ることができる状態となる。これらの星を前主系列星という。
原始惑星系円盤
原始星が誕生するとき、ガスの一部は回転運動のため原始星に落下せず、原始星の周りを回る原始惑星系円盤を形成する。
惑星はここから誕生する。
主系列星の誕生
星の収縮が続けば、中心密度は高くなり中心温度も上昇する。中心温度が1000万Kを超えると、中心部で水素(H)がヘリウム(He)に変わる核融合反応が発生する。すると収縮は止まり、核融合のエネルギーで安定的に輝き始める。この状態の星を主系列星という。
主系列絵師になるためには、太陽の0.08倍以上の質量が必要。それ以下だと中心温度が1000万Kに達する前にガスの圧力で収縮が止まってしまい、褐色矮星となる。
赤色巨星への変化
核融合でヘリウムが中心部にたまっていく、この部分をヘリウムコアという。ヘリウムコアはしだいに大きくなるが、その中では核融合反応は起こらず、ヘリウムコアの外側で水素の核融合反応が起こっている。
質量が太陽の0.46倍より大きな星は、ヘリウムコアがゆっくりと収縮をはじめる。すると全体のバランスを保つため外層は大きく膨張し、表面温度は下がり、赤くなっていく。半径は大きくなるため星の光度は明るくなっていく。これが赤色巨星への進化。
主系列星から赤色巨星への移動期間は数千万年程度で、太陽の主系列星の寿命である100億年と比べるととても短い。
質量が太陽の0.46倍より小さな星は、ヘリウムコアを包み込む水素の外層が宇宙空間に霧散し、ヘリウムを主成分とした白色矮星として星の一生を終える。ただし水素の外装が霧散するまでには、宇宙の年齢138億年よりはるかに長い500億年以上もかかるため、このようにして一生を終えた星はまだ存在しない。
星の死
赤色巨星に進化した後、質量が太陽の8倍より小さな星は、ヘリウムコアの内部で炭素や酸素を合成する核融合反応が始まり、炭素+酸素のコアが成長していく。
ヘリウムの核融合反応が始まると、星の表面温度は再び上昇し、星はHR図上をほぼ水平に、左側に移動していく。
その間に膨張して巨大になった星の外層は静かに星から離れていき、星の周りに惑星状星雲と呼ばれるガス状の星雲が形成される。
中心部の炭素+酸素のコアはそのまま白色矮星となり、惑星状星雲の中心性として残る。白色矮星の内部では核融合反応が起こらないため新しいエネルギーを生み出すことができず、星の死となる。
質量が太陽の8倍より大きな星はの中心部では、炭素や酸素からネオンやマグネシウムを、ネオンやマグネシウムからケイ素を、ケイ素から鉄合成する核融合反応が次々と起こり、星の内部は層状構造になる。
中心部では電子が陽子に吸収され、中性子のコアが作られる。中性子は電気的反発力がないため、中性子コアは重力によって急激に収縮し、半径10km程度の中性子星となる。
その結果外層も中心に向かって急激に落下し始める(重力崩壊)。落下した外層のガスは中性子星の表面で止められ、その反動でⅡ型超新星爆発(重力崩壊型超新星爆発)を起こす。
吹き飛ばされたガスは一時超新星残骸としてのこるが、やがて宇宙空間に散って再び星間ガスの一部となる。
中心部には半径10km程度の中性子星が残る。太陽質量の40倍以上の星の場合はブラックホールが形成される。
超新星の種類
水素の吸収線が見られない・・・Ⅰ型
ケイ素の吸収線が見られる・・・Ⅰa型
ケイ素の吸収線は見られないがヘリウムの吸収線が見られる・・・Ⅰb型
ケイ素の吸収線もヘリウムの吸収線も見られない・・・Ⅰc型
水素の吸収線が見られる・・・Ⅱ型
Ⅱ型は太陽質量の8倍以上の星が進化の段階で死を迎えるときに起こる現象。
Ⅰb型は水素の外層が、Ⅰc型は水素とヘリウムの外層が強い方者や恒星風によって流出した後に、重力崩壊型超新星爆発を起こしたもの。
Ⅰa型は連星系を作っている白色矮星がその限界質量を超えたときに起こす大爆発。
連星系のもう一方の星が赤色巨星に進化する段階で、その外層の一部がはぎとられ白色矮星に降り積もる。このとき白色矮星の限界質量を超えると、大爆発を起こす。この場合星全体が粉々に砕け、中心部には何も残らない。