天文宇宙検定2級ノート 1章0節
ブラックホールの常識
ブラックホールは真っ黒で見えない。ブラックホールはなんでも吸い込む。
でも実際のブラックホールは・・・
光り輝いているし、高温のプラズマガス(プラズマジェット)を噴き出している。
ほとんどの銀河の中心には太陽質量の10⁵~10¹⁰(数十万~数百億)倍程度のブラックホールがある。
活発に活動しているブラックホールを持つ銀河を活動銀河という。
活動銀河中心核 銀河の中でも非常に明るい銀河の核
セイファート銀河・・・近傍にあり、クェーサーより暗い。電波が弱い。
電波銀河・・・近傍にあり、クェーサーより暗い。電波が弱い。
※セイファート銀河と電波銀河には、スペクトルを見ると広がった成分が見られるⅠ型と、見られないⅡ型がある。
ブラックホールにまつわる天体
いて座A*
・・・天の川銀河の中心領域。天の川銀河の中心には、太陽質量の400万倍程度の質量をもつ巨大ブラックホールがある。
わし座の特異星 SS433
・・・約10太陽質量のブラックホールと青色超巨星の連星。約13.1日の周期で公転している。2本の高温プラズマジェットが高速の26%で噴き出している。
アンテナ銀河NGC4038-4039
・・・6000万光年の距離のからす座にある。2つの渦巻銀河が衝突中で、それぞれの銀河の尾がアンテナのように見える。
中心領域で白く光る点は、超高度X線源ULXと呼ばれる。天のすべてがガスを吸い込みながら光るブラックホール。
M87のブラックホールシャドウ
・・・イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)が観測した、おとめ座銀河団の中心にある巨大楕円銀河M87の中心にあるブラックホールのブラックホールシャドウ。
世界で初めてブラックホールシャドウの撮影に成功した。M87のブラックホールの質量は、太陽の65億倍。
クェーサー3C353
・・・電波で観測できるのは、比較的エネルギーの高いガス。シンクロトロン放射で電波を放出している。
※シンクロトロン放射・・・磁場のある領域で電子などの荷電粒子が高速で運動すると、磁力線に巻き付くような運動をおこし、その際に荷電粒子と磁場の相互作用で電磁波が放射される。このメカニズムで放射される電磁放射をシンクロトロン放射と呼ぶ。