天文宇宙検定2級ノート 2章4節

太陽フレアとは

・・・太陽面で起こる爆発現象。複雑に交差する磁力線が、より簡潔な磁力線につなぎ変わることによって、蓄えられた磁場のエネルギーが様々なエネルギーへ変換される。

コロナ質量放出(CME coronal mass ejection)・・・フレアなどの太陽活動によって、太陽から大量のエネルギーやガスのような物質が太陽系空間へ放出される現象。コロナにある物質が放出されるため、コロナ質量放出と呼ぶ。

磁気嵐・・・CMEが地球に到達し、地球磁気圏のバランスが崩れること。発電所や変電所の電気機械が壊れて停電が起こったり、長距離の電波通信に障害が発生したりする。

太陽風・・・太陽から噴き出してくる電気を帯びた粒子(プラズマ)の流れ。主に水素やヘリウムの原子核や電子からなる。

CMEが発生すると爆発的に密度が高くなったり早くなったりする。大量の高エネルギー粒子(放射線粒子や太陽宇宙線)が地球へ降り注ぎ、人工衛星が壊れたり、宇宙飛行士が被ばくの危機にさらされたりする。

普段から地球に届く低速の太陽風は、活動領域とコロナホールの境界から噴出している。

オーロラ・・・太陽風の電子や陽子は、太陽風によってたなびく地球磁気圏の尾部にいったん捕らえられる。尾部の磁力線のつなぎ換えによって地球の極付近へ降り注ぐ電子や陽子が地球大気の外層にある窒素や酸素を励起して光を放つのがオーロラの原理。

 

ナノフレア・・・通常のフレアに対して非常に小規模の磁力線のつなぎ換えが起こすフレア。

スーパーフレア・・・大規模な磁力線によって起きるフレア。

べき乗則・・・小規模の事象は数多く起こるが、大規模の事象ほど件数が減る法則。フレアについても当てはまり、エネルギーが10倍になると頻度が10分の1になる。

最大級の太陽フレアより100倍大きいスーパーフレアは800年に1回、

1000倍大きいスーパーフレアは5000年に1回発生する可能性がある。

 

フォーブッシュ減少・・・CMEが地球へ到来する地球に降り注ぐ宇宙線の量が急激に減少する現象。発見者のスコット・フォーブッシュに由来する。CMEに伴う強い磁場が宇宙線をバリアするために起こると考えられている。

放射線・・・電磁波(ガンマ線、X線、紫外線)と粒子線(α線β線中性子、陽子)の総称。

太陽圏・・・太陽磁場の影響や太陽風の及ぶ太陽系の範囲。少なくとも100天文単位までがその範囲。