天文宇宙検定2級ノート 2章3節

コロナとは・・・太陽を取り巻く高温のプラズマガス。

・コロナはラテン語で王冠を表す。皆既日食中の太陽の周りのコロナが上から見た王冠に見えるため。

・彩層よりさらに上空に存在する、彩層より希薄なガス。

・ガスの温度は100万Kもある。

・温度が高いため、プラズマ(原子が電離した状態のガス)になっていて、高温のコロナからはX線が発せられている。

・太陽光球からの光の散乱光と、コロナ中の鉄などの輝線によって光を放つ。

・その輝きは暗く、明るいところでも満月程度のため普段は見られないが、皆既日食のときには肉眼で見ることができる。

 

コロナ加熱問題・・・光球よりも太陽から離れたところにあるコロナが、光球の6000Kよりはるかに高温である問題。

通常の熱伝導では説明できないため、太陽表面から熱エネルギー以外の形でエネルギーが運ばれて、コロナ領域で熱に変換されると考えられている。

太陽表面の磁気を利用した「磁気波動説」と、ナノフレアを利用した「ナノフレア説」が有力視されている。

 

コロナの種類・・・輝き方で呼び分けられている。

Kコロナ(Kontinuierlich:連続)・・・高温のコロナで電離した電子に、太陽からの光が当たって散乱された光。コロナの電子は5000km/s物光速で運動しているため、散乱する光はドップラー効果によって、太陽光に見られる吸収線はかき消されてしまう。そのため連続した光として光る。

Fコロナ(Fraunhofer)・・・吸収線(フラウンホーファー線)が見られるコロナ。惑星間空間に存在する微小な塵(ダスト)が太陽光を散乱したもの。

Eコロナ(Emission:輝線)・・・高温コロナ中で電離したイオンから放射される輝線で光っているコロナ

 

コロナホール・・・X線で見る太陽表面で、X線を放たず黒くなっている部分。太陽の磁場が開いたところで、高速の太陽風吹き出し口になっている。

X線輝点・・・コロナホールをX線で観測し見られる直径数千kmの小さな輝点。コロナに浮上した磁気ループ構造。

恒星コロナ・・・太陽以外の恒星にもコロナは存在している。恒星は遠いためコロナを直接観測することはできないが、コロナに特有のX線は観測されている。