天文宇宙検定2級ノート 2章2節

彩層・・・光球上空の高度約2000km~1万kmのガス層。

・温度は4000K~数万Kまで上昇し、さらに高層のコロナへ続く。

・太陽本体と同じく大部分は水素ガスだが、水素以外にも様々な元素の成分が含まれている。

・彩層を観察するには、特定の波長のみで観察する特殊なフィルターが必要。最も一般的なものが、水素原子が放つ赤色光によって生じるHα線(656.3nm)を透過するフィルター。

・Hα線で太陽を見ると、黒点の上空を再送のガスが覆っているため、大きな黒点以外はほとんど見えにくい。

・大きな黒点がある場所は、強い磁場が彩層を突き抜けて上空へ達しているため彩層にはガスが存在しにくく、黒点を見ることができる。

黒点周囲の活動領域の彩層は周囲よりも明るくなっており、プラージュと呼ばれる。

 

吸収線・・・太陽のスペクトル中に現れる黒い線。様々な元素が元素特有の波長の光を吸収するため暗くなっている。

輝線・・・元素が元素特有の波長の光を放射して明るい線となっているもの。

1868年にピエール・ジャンセンが彩層にオレンジ色の輝線を発見。この輝線に対応する元素が当時地上で発見されておらず、太陽にしかないと考えられたため太陽神ヘリオスにちなんで「ヘリウム」と命名された。

太陽の差動回転・・・太陽の自転の速さは緯度で異なっていて、高緯度ほど遅く回っている。

 

プロミネンス(紅炎)・・・彩層の上空に浮かぶガスの雲。

・英語で「突起物のような目立つもの」の意味。

・静穏型と活動型がある。

・静穏型は、数週間もの間形を保ち、その多くは太陽の自転とともに東から現れて西へ没する。

・活動型は、運動状態にあるプロミネンスをいう。太陽の縁では水平にたなびく構造として観測される。数分から数時間で形を変えたり消えたりする。

・Hα線で輝くため、太陽の縁にあれば明るく見える。

・太陽面上にあるときは、背景の太陽光をプロミネンスの冷たいガスが吸収するため、黒い筋として観測される。・・・ダークフィラメント

 

スピキュール・・・太陽表面に見られるジェット流。Hα線で彩層を見ると、太陽一面が筋のような模様でおおわれている。

ガスが噴き出す速度は毎秒30km程度。長さは6000km程度。1つのスピキュールは5分ほどで消滅しまた次の一筋が現れる。