天文宇宙2級ノート 2章1節

太陽とは

地球から約1億4960万km離れたところにある恒星。

直径は約140万kmで地球の109倍。(地球の直径は1万2700km)

1m²あたり1.4kWのエネルギーを地球に届けている。

・・・太陽定数(地球軌道で太陽に垂直な面に入射する太陽エネルギーの量)

主として水素ガスでできた巨大なガス球。

 

太陽の表面「光球」・・・太陽を可視光(500nmの波長の光)で見たとき、不透明になる(観測できる)太陽表面。

厚さ500km。ガスの温度約6000K

太陽の輝きは太陽表面のガスが6000Kになって光を放つものによる。

周縁減光効果・・・太陽が球状ガスであるため、周縁部が中心領域より暗く赤くなること。周縁部では太陽大気のガスによって夕焼けのような効果が起こり、暗く赤くなる。もし太陽が固体なら、月のように周縁部まで同じように明るい。

太陽の実際の表面温度の平均は6400K程度だが、地球から見ると周縁減光効果によって浮沈所温度が低く見えるため、約6000K(正確には5780K)とされている。

 

太陽表面の模様

黒点・・・太陽表面に黒く見える小さな斑点。

・直径数千km~数万km(地球の数倍に達するものもある。)

数千ガウスの強い磁場が観測される。(1908年にジョージ・ヘールが黒点の磁場を発見。2014年には太陽観測衛星「ひので」によって6000ガウス超の観測史上最強の磁場を持つ黒点が発見された。)

・光球より温度が低い4000K程度。磁場が強いため、太陽内部からの熱輸送が磁場により妨げられる。

黒点には暗い「暗部」とそれを取り囲む縞状の「半暗部」がある。

・半暗部は比較的大きな黒点にのみ現れる。

黒点は写真では黒く映るが、本当は明るく輝いている。光球の6000Kの明るさに合わせて撮影したため、黒点領域は露出不足になっている。

黒点の周辺は磁場による活発な活動が起こっているの活動領域と呼ばれる。死の他の比較的穏やかな領域は静穏領域と呼ばれる。

白斑・・・黒点の周囲にある、まだら模様のように白く明るく見える模様。

・白斑にも1000ガウス程度の磁場がある。

粒状斑・・・太陽表面の小さな細胞のような模様。

・明るい部分で高温のガスが上昇し、暗い縁取り部分で冷えたガスが下降する対流が起こっている。

・粒状斑の大きさは約1000km。小さいため地上からは補償光学装置を用いて観察する。

 

補償光学・・・川の流れで川底の意思を見ることができないように、地上からの天体監査則は大気のゆらぎでぼけたような像を見ている。ぼけ具合を測ることで、望遠鏡内部の鏡やレンズを動かし、ゆらぎの少ない天体像を作ること。

太陽では小さな黒点のぼけ具合を測って、粒状斑や微小黒点を観測する。

ガウス・・・磁場の強さを表す単位。赤道付近の地磁気は約0.3ガウス。棒磁石は2000ガウス

 

黒体放射・・・熱を帯びた物質が放つ純粋な熱放射(電磁波)のこと。

・黒体放射のエネルギーは物質の温度に比例する。

・太陽は6000Kで、500nmの緑色の光が最も強いが、他の色の光も放っているので全体としては白く見える。

・4000Kの星は、700nmあたりの赤色が強いため、ややオレンジがかって見える。

・人間(体温36℃ 300K)の人は赤外線で光って見える。